2012年01月18日

映画評:太平洋の奇跡ーフォックスと呼ばれた男ー 平山秀幸 監督作品

太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男− スタンダードエディション [DVD]
太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男− スタンダードエディション [DVD]


実話を元にした作品。映像も凄いし、実話と思えば、なかなか凄い男であったのだろう。しかし、、、

高校時代の同級生、尾上君が特撮監督をされたそうで、先日の同窓会で、DVDをいただいた作品。以前から観ようと思っていたので、ありがたく頂戴いたした。

確かに、現代のCGは、素晴らしく良く出来ており、映画の迫真のシーン、例えば、爆撃機が低空で飛んでいくシーンなど、印象的なものを提供されている。

瞬間の映像に相当な手間がかかっていると思えば、襟を正してしまう。この映画も、実話を題材にしており、興味深く観させてもらった次第。

しかし、美人看護師の話など、映画に花を添える存在は、、、必要なのかもしれないが、大尉に面と向かって文句を言うような、そうした女性の発言に違和感を覚えてしまうのは確か。

ともあれ、サイパンでの玉砕的な戦闘の後、終戦を知らず、民間人を守りながら500日以上にわたり戦った、大場大尉の話である。

軍人として、骨があるし、優れていたのであろう。大本営に見捨てられ、海上を封鎖され、援軍もなく、ゲリラ戦で戦い続け、敵からも畏敬の念をもって、フォックス(きつね)とよばれた日本人士官。

最後は、占領されたと言い聞かせられるが、それでも、 終戦が判明しても、先に民間人を投降させておき、 直接の上司から命令を受けぬ限り、軍人として戦闘をやめぬと主張を曲げなかったという。

最終的には、1945年も終わりのころになって、直属の上司の戦闘解除命令を拝し、ようやく投降する。

投降の仕方も、歩兵の本領を歌いながら、日章旗を掲げ、整然と隊列を組んで米軍の前に現れ、軍刀を差し出し、儀式にのっとって、投降を終了したとされる。

時に47人の兵士。敵は45000人であったという。凄いものである。

そうなると、つい、調べたくなるオタク心が生まれ、大場大尉について、それとサイパンの戦闘に関して調べてみた。

結果、いろいろ影の部分もある気もした。もちろん、一人の軍人として、大場大尉は優れた将校であったのは疑いあるまい。

一方で、捕虜収容所に、自分の部下の憲兵を民間人のふりをして送り込み、少年組織を組織し、敗戦を米軍に聞いて信じていたグループを撹乱し、そのリーダーを殺害させる。

そして、そのアジテートした憲兵は脱出し、少年たちの単独犯とするよう説得して大場大尉のもとに帰ったという。

指示の通りに自供した少年は無期懲役。米国で服役し、後に減刑となり出所した後、牧師になったという。

この件では、大場および憲兵は罪に問われることなく、名誉ある投降と帰還を果たす。このことに関して、収容されていた民間人からその責任を問う声があるのは無理もあるまい。

一方で、日本軍という立場からみると、そのスパイ活動は見事だと言えよう。戦時中の問題を戦後になって裁く難しさを感じてしまう。

要するに、こうした映画の問題点は、時代がおりなす矛盾点が主人公の人間性を歪んだものにするが、それはそれで、当時の立場で筋を通したといえることを描けるかにかかっているのではないか。

それを通して、戦争のもつ矛盾点に帰結できるなら、社会的な映画になるのであろう。竹内豊では、そのダークサイドを演じきれたのか、これはやや疑問が残った。

ちょっと、ヒューマニズムあふれる雰囲気が、かえって、この映画に厚みをもたらせなかったのではないか。そうしたことを考えさせられる実話の映画化であった。


taketo_koga at 20:19コメント(0)トラックバック(0) 
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