2013年10月10日

書評:人間にとって成熟とは何か 曽野綾子 著



自分に自信がないと書けない書名である。いい話もあるが、多少、高圧的な物言いと説教臭さが鼻についた。なるほど、文章はお上手だが、タイトルと内容の整合性が最後は疑われた次第。

安全でリスクの少ないインプラント治療を追求する、千葉は幕張新都心のインプラント専門医、古賀テクノガーデン歯科の古賀です。本日のブログは、書評を。

ご存知、曽野綾子さんのベストセラーエッセー。それにしても、人間にとって成熟とは何か、なんて、タイトル、よほどの自信がないとつけることが出来ないと思われ。

人の道を説くのは難しいだろうが、成熟に関して書くのはもっと難しい。それに、こうした本は、自分は正しいのだという確信がなくては書けぬ本だと思う。

多くのボランティアをされてきたのは存じているし、曽野さんがクリスチャンで、キリスト教的な信念から、決して見返りを求めぬ活動をされているは敬服する。

一方で、破れたジーンズをはくのが、貧しい国の人々には失礼であるとか、それでいて、きらびやかな着物を纏うのには肯定的な態度を説明されても、すんなりと腑に落ちない読者も多いと思う。

多角的な考え方を解きつつ、独善的な物言いが目立つために、読み進めるうちに、突っ込みどころばかり目についた。

それでも、信念を持って生きたきた女性の強さや度量は感じる。そこは曽野綾子さんの人生に対する真摯さや実力がそうさせるのであろう。

本書の内容紹介や目次を見ると、いい内容が示唆されるものである。私自身、自らの著作でも注意しているのだが、いい内容はコンテンツに現れると思う。

その点では、非常にいいが、失礼ながら、目次だけでもいいと思ってしまった。一つ一つのエピソードが、自慢的であり、独善的な判断が散りばめられ、やや不遜な印象を与えるからであろう。

それに、成熟とはどういうことかという結論がまったく論理的に導かれていない。それぞれの場面場面での、成熟した自分の感想を緩慢に述べているだけに感じた。

要するに、功名を成し遂げた老人の自慢話と説教、そして若者に対する不満と愚痴を聞かされたような読後感である。

もちろん、「もっと尊敬されたいという思いが自分も他人も不幸にする」、「憎む相手からも人は学べる」、「諦めることも一つの成熟」、「正しいことだけをして生きることはできない」。。。など、含蓄のあるテーマがいっぱいある。

しかし、私達くらいに歳を重ねてくると、どれもよく分かる話であるので、しつこい実例は不要であろう。

他の著作を調べてみると、著者は、「人間の基本」、「生きる姿勢」、「親の計らい」、「晩年の美学を求めて」などなど、求道的な著作が多いのに気がついた。

同時に、どの本も同じ内容だと揶揄されてもいる。失礼ながら、このあたりで、類書を出版し続けるのは、打ち止めにされるのがいいかと感じた。引き際も成熟の一つであろう。


taketo_koga at 13:54コメント(0)トラックバック(0) 
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