2014年01月23日

書評:国家と人生 佐藤優・竹村健一 著

国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える (角川文庫)
佐藤 優
角川グループパブリッシング
2008-11-22




「知の巨人」佐藤氏と「メディア界の長老」竹村氏のインテリジェンス対談。まあ、素晴らしい。

安全でリスクの少ないインプラント治療を追求する、千葉は幕張新都心のインプラント専門医、古賀テクノガーデン歯科の古賀です。本日のブログは、書評を。

「国家の罠」でハマって以来、ファンである佐藤優氏と、学生時代からそのユニークな発想と常識に安易に組みしないスタンスが好きな竹村氏の対談集。

まあ、この二人で面白くないわけがない。2007年の発刊であるが、今、読んでも、まったく古さを感じさせない。

それこそ、二人に縁が深い沖縄問題、ロシア、憲法、官僚、宗教、読書法、外交、情報の捉え方などなど、まさに、その内容の濃さに圧倒される。

思わず、知性というのは、知識を整理してプライオリティをつけることではないかと考え始める。

個人で身につけられる知識量は、人間の限界としても決して多くないとは思うが、佐藤氏の受け答えを見ていると、自分が同じ歳のオヤジで、同じ時間を生きて過ごしてきたことが恥ずかしくなる。

この対談の深みは、歴史や文化に関する多くの知識にも裏付けされた深い洞察であろう。二人とも、語学に堪能なのは言うまでもないが、この対談では、佐藤氏の途方も無い情報を、的確な質問でうまく引き出し、読者にわかりやすく整理して見せる。

また、竹村氏の適切な質問により、人見知りが激しいという佐藤氏が、気持よく、しかも親子の年齢ほどの違いを乗り越え、率直に語る対談が気持ちよくもある。

前書きには、佐藤氏が竹村氏を評して、天命の思想の人、という下りがある。それを神と呼ぶか天と呼ぶかは各人の嗜好と思想によるものだろうが、自分が与えられた天分や機会を、自らのためと社会のために用いなければならないという倫理観があるという。

よって、竹村氏は佐藤氏に、「あなたは、よく自分の適性と今後の持ち時間を考え、どのような選択が、あなた自身の人生の満足と日本の国家と社会のためになるか、自分の頭で徹底的に考え、そして、行動しなさい」と諭してくださったと理解したそうな。

もちろん、実際にそういう文言があったわけではあるまい。長い間、竹村氏ウォッチャーしてきて、私は意外に竹村氏が差し出がましいことを言わないことを知っている。説教的なことは言わず、あくまでアドバイスを与えるという態度の人である。

竹村氏がメディアの長者であった時代、彼が寝転んだり、葉巻をふかしながら、「あ、そう。それで、、、」なんて振る舞ういっけん傍若無人な振る舞いにも、いつも優しさと相手への敬意を感じていた。

メディアでは世間がある人をいっせいに叩くことがある。たとえば、先日の猪瀬元都知事の件である。ああした世間の風潮が一斉に攻撃する人物を、竹村氏がしばしば世の中のバッシングムードに乗せられることなく、相手の言い分を聞こうとする姿を眼にしたものである。

こうした姿勢の人には、誰もが心を許し、本音を語るものだと思った。ひとえに氏の包容力の大きさであるかもしれない。

現在、かなり高齢になった氏であるが、さらに自分の子供くらいの年齢の佐藤氏の知性を補う役割に徹していることが、さらにこの対談集を気持の良いものにしている。

しかも、この時代の寵児の佐藤氏を、どんな育ち方をして、どのような人間性がバックにあって、あの知性や著作が生まれたかが出るような対談集にしたと、竹村氏の後書きにある。

この書評で長々と内容を話せるレベルの対談集ではないが、ぜひ、手にとってみられると面白いと思う。う〜ん、打ちのめされます。。。とても及ばずとも、もっと、知性を磨きたい、そう思わせる本である。


taketo_koga at 21:12コメント(0)トラックバック(0) 
読書 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
livedoor プロフィール

taketo_koga

歯科医師の古賀と申します。歯科インプラントの専門家です。オフィスのホームページもご覧ください。

ギャラリー
  • 2013年後半の自分史報告 その3
  • 2013年後半の自分史報告 その3
  • 2013年後半の自分史報告 その3
  • 2013年後半の自分史報告 その3
  • 2013年後半の自分史報告 その3
  • 2013年後半の自分史報告 その3
livedoor ピクス
本ブログパーツの提供を終了しました
QRコード
QRコード